偽装大手探偵事務所

全国に支社があるという、いわゆる大手探偵事務所のサイトをよく見かけます。

たとえば、東京に本社があって、神奈川、千葉、埼玉、名古屋、大阪、福岡などに支店があるような探偵事務所。

パッと見、全国に支社がある大きな会社、しっかりした探偵事務所という印象です。

しかし中には、大手とは名ばかりで実体のない探偵事務所がいることをご存知でしょうか?

そのような偽装”大手探偵事務所は、ユーザーを信用させるため、いかにも全国展開している大企業のように装っています。

そのために、狡猾な細工も施しています。

それはユーザーを欺く行為です。

今回は、ネットに生息する偽装大手探偵事務所の実態について解説します。

また、偽装の見破り方も併せて紹介します。

ユーザーを欺いて集客、捏造調査で暴利をむさぼる

会社を大きく見せるために偽装していても、スキルが高く誠実に調査してくれる探偵事務所であれば、まだ救いがあります。

しかし、その手の偽装大手探偵事務所で、まともに仕事をする業者を聞いたことが有りません。

逆に、何百万円も支払って浮気調査を頼んだのに、大失敗したという話はよく聞きます。

たとえば、5人態勢で尾行しているはずなのに早々に見失ってしまう。

とても、まじめに調査を実施したとは思えないような、捏造調査報告書を渡されたなど。

人の心理を悪用する、偽装大手探偵事務所

一般的に、大きいものに寄りかかって、安心感を得たいのが人の心情です。

大きい会社、大企業は組織力が有って、コンプライアンスがしっかりしていると考えがちです。

だから、個人事業者より大企業の方が安心できると、考える人は多いのではないでしょうか。

よって、物やサービスを買うときも、ある程度この心情が反映されると思います。

人間というのは浅はかなもので、全国に支店がある大企業を無条件に信用しがち。

特に、不倫の悩みや問題を抱えている人は、そうなりやすいと思います。

不安や精神的苦痛から一刻も早く逃れたい、そのために速く悩みを解決したいと。

そんなときに、全国展開しているという探偵社のサイトを目にすれば、頼れる!助けてくれる!と思うでしょう。

このユーザー心理を悪用しているのが、偽装大手探偵事務所なのです。

どの支社も本社と同じフリーダイヤル番号?

支社も本社も同じ番号

以下、某大手探偵事務所をリサーチした結果、判ったことをお知らせします。

某大手探偵事務所(以下「某大手探偵」とする)の、サイトの「支社一覧ページ」を見ると、各支社への問合せ先として0120から始まるフリーダイヤルが載っていました。

ところが、よく見ると各支社のフリーダイヤルがすべてが同じ番号。

これは、非常に不可解なことです。

というのも、フリーダイヤルを利用するためには原則その場所に、電話回線と電話機が設置されている必要があります。

固定電話機がなければフリーダイヤルを設置することはできません。

全国展開しているというこの某大手探偵であれば、当然ながら地方の支社にも電話回線を引いて、固定電話機を付けているはず。

地元の相談者からの問い合わせは、その固定電話で対応するのが自然です。

そして、その固定電話をフリーダイヤルにした場合、支社ごとにちがう番号になるはずです。

しかし、この某大手探偵の場合、支社も本社もすべて同じフリーダイヤル番号でした。

フリーダイヤル番号が一つしかないということは、その番号は東京本社の固定電話機につけていることになります。

全国に支社があるのであれば、当然そこで働く社員がいるはず。

それなのに、なぜか相談者の電話対応を東京本社だけで行っている。

これでは、何のための支社なのかわかりませんね。

なぜ、この某大手探偵はそんなことをしているのか?

さらに、掘り下げてみましょう。

住所はあるのに、固定電話番号がない!!

固定電話のない支社

その某大手探偵の「支社一覧ページ」をよく見ると、どの支社も固定電話番号が載っていませんでした。

支社の住所と探偵業届出番号は載せてあるのにです。

探偵に限らず、普通どんな小規模事業者だったとしても、固定電話機のない事務所はありません。

ましてや、大手探偵事務所の支社に固定電話機が無いということは、ふつう考えられないでしょう。

固定電話機が無ければ、お客さんに渡す支社の名刺に電話番号を載せられません。

仮に、携帯番号を代表電話番号として名刺に刷った場合、それを見たお客さんは「(固定)電話も引いてない?探偵は信用できるのか」と不安に思うはず。

にもかかわらずその某大手探偵が、各支社の電話番号を載せないのはなぜでしょう?

NTT番号案内104で訊くとすぐわかりました。

支社に固定電話がないことが判明?!!

NTT番号案内104で、その某大手探偵の番号を調べてもらったところ、登録されているのは本社を含めてわずか2ヶ所だけでした。

残りの支社は、電話番号の登録は無し。

たとえば、本社・支社併せて10カ所あるとしたら、うち8つの支社が電話番号登録をしていないことになります。

たしかに、電話番号登録は企業側が拒否すれば登録されません。

しかし、積極的に商業活動している企業であれば、普通は電話番号登録を拒否しません。

ましてや、某大手探偵の場合、支社一覧ページまで作って積極的にアピールをしているわけです。

電話番号登録を拒否することはありえないでしょう。

にもかかわらず、電話番号の登録が無いということは、支社に固定電話機がないことを意味します。

各支社の電話番号を載せていない理由は、固定電話機がないからです。

大手探偵事務所のはずなのに、なぜか支社には固定回線もIP回線も引いていない。

この不思議な大手?探偵事務所は何なのでしょう?

無人の支社オフィス?

無人の探偵支社

固定電話が無い、問い合わせはすべて本社で対応。

それでは、その支社スタッフはどうやって仕事をしているのでしょうか?

まず、フリーダイヤルは本社に繋がるのですから、問い合わせをしてきたお客さんと話すことは出来ないですね。

それであれば、本社スタッフがお客さんに電話番号を聞いて、それを引き継いだ支社スタッフからお客さんに電話するのでしょうか?

それとも、逆に支社スタッフの携帯番号を教え、お客さんからかけてもらうのでしょうか?

どちらにしても、遠回りで手間がかかります。

地方支社の地元客からの問い合わせを、わざわざ東京本社に経由させる意味がわかりません。

支社があるのだから、そこに固定電話を引いて直接かけてもらう方が効率的でしょう。

その不自然さを、推理していたところ次の仮説を思いつきました。

この某大手探偵の支社は営業実態がない。

支社に常勤のスタッフはおらずいつも留守。

東京の本社にしかスタッフはいない。

もしこの通りであれば、支社に固定電話を設置しないことも頷けます。

無人のオフィスに電話を引く意味はないですから。

探偵業者立入検査の時だけ人がいる支社?

探偵業者は年に一度、探偵業者立入検査を受ける義務があります。

もし、これを拒否すれば営業停止や廃業など、行政処分を受けることになります。

立入検査を行うのは、探偵社の有る地域を管轄する警察。

その某大手探偵の支社も例外ではありません。

となると、普段から営業実態のない無人支社はどうするのでしょうか?

ひとつの対応策として、警察が立入のアポイントを取った日だけ、東京の本社スタッフがオフィスに出張することが考えられます。

郵便物等は転送届を出しておけば、東京などの本社で受け取ることが出来ますが、警察の立入検査だけは探偵社スタッフが立ち会う義務がるからです。

その大手探偵事務所の支社は、少なくともその日だけは、スタッフが居るようにしているのだと思われます。

ターゲットはあくまでも東京首都圏の客?

ただ、そうであっても一つの疑問が残ります。

有名無実の支社を地方に作る目的は、ネットを見たユーザーに大手探偵事務所に見せかけるためということはわかります。

ではその支社のある地方のユーザーが、事務所に相談に来るときはどうするのでしょうか?

これについては諸説あります。

その中の一つが、相談者がアポイントを取った日だけ、東京本社のスタッフが出張するというものです。

ただ、これには疑問があります。

お客さんが相談に来るたびに、東京のスタッフが地方支社へ出張するとなれば、新幹線や航空機代など交通費も馬鹿になりません。

それに、相談者の中にはドタキャンしたり、無断キャンセルする人も少なくありません。

高い運賃を払って、支社に出張しても無駄足になるリスクがあるのです。

そのような事情を考えると、相談が入る度に東京本社から地方支社へ、出張しているというのは考えにくいですね。

初めから地方の依頼を受ける気はなく、支社のお客さんからの相談は、理由をつけて断っている可能性が高いと思います。

その某大手探偵にとって、集客ターゲットはあくまでも東京。

東京のユーザーに大企業と思わせて信用させるため、全国に無人の支社を置いているのでしょう。

そう考えれば、すべてつじつまが合います。

無人支社の賃料も宣伝費のうち?!

東京のユーザーを信用させるために、無人支社を作っているその某大手探偵

しかし無人とは言え、事務所を借りているのですから毎月の賃料がかかります。

仮に支社が10あるとしたら、毎月の家賃はどれくらいかかるのでしょうか?

駅近でも10万円以下である貸事務所

例えば、福岡駅、広島駅、岡山駅、神戸駅、静岡駅、札幌駅など、地方の主要駅近くに貸し事務所を借りると、家賃はどれくらいでしょうか?

不動産情報サイトで調べると、徒歩10分圏内、広さ20㎡位でも10万円以下の物件がたくさんありました。

仮に、その某大手探偵が支社として、そのような貸事務所を借りていると仮定しましょう。

家賃10万円とした場合、10支社あるので毎月100万円の賃料を支払っていることになります。

毎月100万円の家賃と聞くと、すごい出費に感じる方もいるかもしれません。

しかし、一人の依頼人から150万円~700万円を取っている、その某大手探偵にとって100万円は大した負担ではありません。

もし、200万円の契約を月に20件取れば、それだけで売り上げは4000万円。

そういう探偵事務所は、言葉巧で強引な相談員が、毎月相当数の契約を取っています。

思惑通り、「大手だから安心」と思った東京の依頼人が、次から次へと契約してくれるので費用対効果抜群です。

しかし、実際にその某大手探偵が借りていたのは、そのような普通の貸事務所ではありませんでした。

大規模オフィスビルの中にある探偵支社?

その某大手探偵の、サイトの支社一覧ページを見ると、どの支社も立派なビルディングの写真が載っていました。

支社はそれらのビルの中に有ります。

外観を見る限り、家賃10万円で借りられるとは思えない、一等地にある大規模ビルばかり。

無人の支社なのに、なぜ大規模ビルに事務所を借りるのでしょうか?

支社の正体は月4万円のレンタルオフィス!

3畳間の大手探偵支社

その某大手探偵の、支社の住所を調べると意外な事実が判明しました。

なんと、それは『レンタルオフィス』だったのです。

レンタルオフィスとは、一等地の大規模ビルの中に低料金で借りられる狭いオフィスのことです。

広いフロアを細かく区切って、貸せる状態にしたオフィスで、3畳~4畳半のオフィスなら月40,000円程度で借りられます。

その大手探偵事務所、いやもう偽装大手と呼びましょう。

その某偽装大手は、全国各地の大規模ビルの中にある、狭いレンタルオフィスを低料金で借りていたのです。

そして、そこを支社として登録しているのです。

見栄えの良い大規模ビルの住所と写真を、支社のページに載せれば大抵の人は大手探偵事務所だと信じます。

おまけに家賃も4万円と安く、古びた貸事務所を10万円で借りるよりコスパが良いので、偽装大手にはうってつけなのでしょう。

ただ、そこにお客さんを呼べば、「大手支社なのに狭いレンタルオフィス?」、「本当に営業しているの?」と怪しまれます。

だから、地元の客は切り捨てて、本社がある東京にターゲットを絞っている。

無人で支社の実体がない、固定電話も引かないのは、それが理由だと思います。

偽装大手探偵の調べ方

あなたが依頼を検討している大手探偵事務所が、この某偽装大手と同じような業者かどうかは簡単に調べられます。

その探偵事務所サイトの、支社のページにある「住所」をコピペし、それに「レンタルオフィス」を加えてネットで検索してみましょう。

レンタルオフィスであれば、検索結果一覧に、その「住所」と「レンタルオフィス」の文言が並んだページが表示されます。

そして何より大事なのが固定電話。

これは先述どおり、NTT電話番号案内104にダイヤルしてください。

そして「〇〇〇探偵事務所は全国に何件登録されていますか?」と言えば、登録件数を教えてくれます。

その登録件数が、本社+支社の数より少ない場合、その数だけ固定電話が引かれていないことがわかります。

固定電話がないということは、業務実態のない無人支社の可能性が高いという事。

つまり偽装大手探偵事務所の恐れがあることになります。

まとめ

その偽装大手は、全国地方都市の一等地に安いレンタルオフィスを借り、そこを支社として探偵業の登録をしていました。

そして、全国に支社がある大手探偵事務所を装い、東京のお客様を欺き信用させ集客しています。

探偵選びには十分ご注意ください。

なお、今回取り上げた偽装大手の支社はレンタルオフィスでした。

しかし、普通の貸事務所を支社とする偽装探偵業者もいるかもしれません。

レンタルオフィスでないから安心とは限りませんので、重ね重ねご注意をお願いします。