ドラマ・映画・小説において一つのジャンルになっている探偵。

「探偵」は普遍的面白さと価値を持つ存在として古今東西創作の世界で、無数のキャラクターが生まれ続けています。

今日は少し肩の力を抜いて、シャーロック・ホームズ、フィリップ・マーロウ、明智小五郎、金田一耕助、探偵物語の工藤俊作、濱マイク等などフィクションの探偵について語りたいと思います。

そして現実の探偵との違いについてもご紹介しようと思います。

明智小五郎

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日本で有名な探偵といえば明智小五郎(あけち こごろう)。

明智小五郎は江戸川乱歩の小説に登場する私立探偵で、「D坂の殺人事件」で初登場し「屋根裏の散歩者」、「黒蜥蜴」、「心理試験」、「黄金仮面」など数々の作品で事件を解決しました。

明智小五郎は江戸川乱歩が子供向けに書いた「少年探偵団シリーズ」でも主人公小林少年の後見人として登場し、東京都千代田区采女町の開化アパート2階に、「明智小五郎探偵事務所」を構えているという設定になっています。

ちなみに原作者の江戸川乱歩は以前紹介した「探偵興信所の歴史」の記事中に登場した探偵岩井三郎の探偵事務所へ面接に行き、不採用になったという逸話を持っています。

怪人の絵が恐い『少年探偵団シリーズ』

私は小学生1年生の頃、ポプラ社から出ていた「少年探偵団シリーズ」を読みました。

「怪人二十面相」、「青銅の魔人」、「サーカスの怪人」、「宇宙怪人」、「夜光人間」、「仮面の恐怖王」、「電人M」、「空飛ぶ二十面相」を持っていました。

表紙と1ページ目にカラーで描かれた怪人の絵が怖くて震えたのを覚えています。

明智小五郎の天敵は「怪人二十面相」で、いつも登場人物の中の意外な人物が怪人二十面相というパターン。

色んな作品を読んで行くうちにどの人が怪人二十面相なのかを推理しながら読むようになりました。

「怪人二十面相」は、1984年~1985年に実際に起きた「グリコ森永事件」の犯人グループがそれをもじって「怪人二十一面相」を名乗りました。

名探偵明智小五郎と美女たち

あと1977年から「土曜ワイド劇場」で放送された「江戸川乱歩美女シリーズ」も印象的です。

明智小五郎を演じたのはニヒルな二枚目で昭和の名優天知茂さん。

残念ながら1985年に54歳の若さで亡くなっています。

「美女シリーズ」なので毎回「浴室の美女」、「妖精の美女」、「悪魔のような美女」、「天国と地獄の美女」といった具合にタイトルに美女が付きました。

これは江戸川乱歩の原作に美女シリーズがあるわけではなくあくまでテレビ用で、「黒蜥蜴」や「パノラマ島奇談」、「地獄の道化師」などが原作です。

松原智恵子さん、小川真由美さん、佳那晃子さん、三ツ矢歌子さんら美人女優がその美女を演じました。

内容は完全に大人向けで毎回女性の裸が出て来て、エロティックな描写が多いので家族と一緒に観るのが憚られるドラマでした。

浪越刑事役の元ドリフターズ荒井注さんが出て来るとホットしたものです。

金田一耕助

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そして明智小五郎とならんで人気なのが金田一耕助。

金田一耕助は横溝正史の推理小説に登場する私立探偵で「本陣殺人事件」、「八つ墓村」、「犬神家の一族」、「三つ首塔」、「悪魔が来りて笛を吹く」、「悪魔の手毬唄」などに登場し、あらゆる怪事件を解決していきます。

金田一耕助は終戦後から現在まで何度も映像化されてきました。

1976年には角川映画第一弾「犬神家の一族」が公開されて大ヒット、空前の横溝正史「金田一耕助ブーム」が起きます。

この「犬神家の一族」でボサボサの蓬髪で、人懐っこい笑顔が特徴の金田一耕助を演じたのが石坂浩二さん。

石坂さんはその後も「悪魔の手毬唄」、「獄門島」、「女王蜂」などの作品で金田一耕助を演じました。

小学生には怖すぎた『横溝正史シリーズ』

そして同時期にテレビの「横溝正史シリーズ(77年)」で金田一を演じたのが古谷一行さんです。

私の場合この「横溝正史シリーズ」が金田一耕助デビューでした。

当時小学生でしたが恐怖と戦いながら観たのを思い出します。

「犬神家の一族」、「本陣殺人事件」、「三つ首塔」、「悪魔が来りて笛を吹く」、「獄門島」、「悪魔の手毬唄」を全話欠かさず観ました。

まず冒頭の「横溝正史シリーズ」のタイトルバッグに流れる「ぴーっ」という篠笛の単曲が怖すぎて背筋が凍り付きました。

そして「僕、金田一耕助です・・・・・」という古谷一行さんのナレーションで始まる、前回までのあらすじのあと流れる短曲(作品毎異なる)、これも怖かった。

本編はもちろん怖いし、CM前に流れるBGM(これも作品毎異なる)、これがまた怖い。

更にエンディング曲「まぼろしの人」も淡々とした独特のムードで小学生の私には怖かった。

おまけにドラマの内容とは関係ない「新グロモント、オオオー」という中外製薬のCMにまで恐怖を感じた記憶があります。

『男はつらいよ・八つ墓のたたりじゃ』

「横溝正史シリーズ」の放送が終わった1977年秋ごろに公開されたのが映画「八つ墓村」です。

本作で金田一耕助を演じているのはなんと車寅次郎、フーテンの寅こと「男はつらいよ」シリーズの渥美清さん。

この「八つ墓村」は時代設定を原作の昭和20年代から現代(1977年当時)に置き換えているのが特徴的です。

そのため渥美清さん演じる金田一耕助のファッションも袴姿の和装ではなく、サファリジャケットなどの洋服で、ヘアースタイルも長髪ではなく寅さんのままでした。

子供ながらに古谷一行さんの金田一耕助と格好が違うと思いましたが、なぜか違和感なく見られ感動したのを覚えています。

小学生が見ても渥美清さんの金田一耕助は魅力的でした。

大人の事情で渥美版金田一はこれ一本で終わったのが残念でなりません。

渥美さん以外の萩原健一さん、小川真由美さん、山崎努さん、中野良子さん他の俳優の演技、監督の演出、音楽などすべてが素晴らしい映画でした。

テレビ版とのちがい金田一耕助探偵

そのあと年が明けた1978年正月にテレビで観たのが石坂浩二さんの映画「犬神家の一族」でした。

当然、金田一耕助以外もテレビ版とは違う役者さんが演じているので新鮮でした。

古谷さんは地毛だけど石坂さんはカツラだとか、二人とも二枚目で優しそうとか、スケキヨマスク、殺害シーンの表現がちがうとか、犬神報公会の人が不気味とか、わくわくしながら観たのを覚えています。

この角川映画「犬神家の一族」はその後何度もテレビ放映され、最近ではスカパーなどでも頻繁に放送されるので十数回以上見ています。

シャーロック・ホームズ

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世界で最も有名な名探偵がシャーロック・ホームズ (Sherlock Holmes)です 。

シャーロック・ホームズ はイギリスの小説家・アーサー・コナン・ドイル(19世紀後半に活躍)が創作した、天才的観察力と推理力そして戦闘力を持つ名探偵です。

ロンドンのベイカー街221Bにあるハドスン夫人所有のアパートで、相棒のジョン・H・ワトスン医師と共同生活をしながら、「緋色の研究」、「シャーロックホームズの冒険」、「シャーロックホームズの思い出」などの作品で難事件を解決しました。

頭脳だけだはない格闘技の達人探偵

極めてクールな性格ですがバイタリティ富み、事件現場ではチリ一つ見落とさないという勢いで積極的に調査します。

一般的にホームズは「頭脳明晰」、「推理力」のイメージが強いですが、原作を読めばわかるように類まれな「戦闘力」を持つ武闘派探偵でもあります。

頭脳のみならずフェンシング、ボクシング、日本武術などの格闘技全般に長けており、ボクシングの実力はプロ級で試合でも勝利しています。

ホームズは日本武術「バリツ」の達人でもあり、犯罪組織のボス、ジェームズ・モリアーティ教授とライヘンバッハの滝での激闘ではこのバリツの技で命拾いしました。

ちなみに「バリツ」は一般的には柔道と解釈されていますが、一方「武術(bujitsu)を誤って表記した」という説や、20世紀初頭にイギリスに実在した日本ルーツの武術「バーティツ(bartitsu)」の誤記説もあります。

またホームズは素手だけでなく拳銃、棒術、鞭などの武器を使って敵を倒します。

これらホームズの格闘技描写は映画「シャーロック・ホームズ(09年)」や続編「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(2011年)で堪能できます。

いずれにしても世界一有名な名探偵が日本武術の達人という設定は、日本の探偵である私としては心が躍ります。

ちなみにKEN探偵事務所所長も空手・キックボクシングの有段者です。

そして素手および拳銃、棒術、ナイフなどの武器を使うイスラエル格闘護身術「カパプ」のインストラクターでもありますが、ホームズとちがって探偵の現場で技を使う場面はありません。

『相棒』杉下右京は和製ホームズ?

シャーロック・ホームズは各方面に影響を与えました。

大人気アニメ「名探偵コナン」の主人公江戸川コナンの名前の由来が、シャーロックホームズの原作者のコナンドイルから来ているのは見ての通りです。

人気刑事ドラマ「相棒」の水谷豊さん演じる杉下右京も、「ホームズ作品」に登場するスコットランドヤード(ロンドン警視庁)で研修を受けたという設定。

「細かいことが気になるのが僕の悪い癖」と言っては天才的観察力と推理力で事件を解決する一方、時として動きの良い格闘術で犯人を取り押さえるなどホームズの影響を多分に受けています。

このほか不動産賃貸会社のCMにタレントの岡田結実さんと一緒に出てる「ホームズくん」や、80年代に土曜ワイド劇場で石立鉄男さん主演でドラマ化された探偵小説「三毛猫ホームズ」など、その影響の事例を挙げるときりがありません。

フィリップ・マーロウ

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イギリスのシャーロックホームズと並び世界的に有名なのが、アメリカの私立探偵フィリップ・マーロウ。

ハードボイルド小説作家レイモンド・チャンドラーが生み出した探偵です。

マーロウは元地方検事局捜査官でしたが命令に違反してクビになりロサンゼルスで探偵事務所を開業しているという設定。

「大いなる眠り」、「さらば愛しき女よ」、「湖中の女」、「長いお別れ」、「プレイバック」などの作品があります。

マーロウと健さん

そしてマーロウの有名なセリフが「プレイバック」に出て来る「タフじゃなくては生きていけない。やさしくなくては、生きている資格はない」です。

タフでハードボイルドな私立探偵なのに、弱者を非情に切り捨てる事ができない性格のフィリップ・マーロウを象徴するセリフです。

このセリフは映画「野性の証明(78年)」のテレビCMでもほぼそのまま拝借されました。

当時「男はタフじゃなくては生きていけない。やさしくなくては、生きている資格はない」という高倉健さんの台詞が、毎日、四六時中テレビで流れていたのを思い出します。

フィリップ・マーロウ対ブルース・リー

フィリップ・マーロウも何度も映画やドラマで映像化されていますが、私が注目するのが映画「かわいい女(68年)」と映画「ロンググッドバイ(長いお別れ)(73年)」です。

この二作品には、のちに世界的アクションスターになる俳優二人がそれぞれ端役で出ています。

一人目は「燃えよドラゴン」で世界的カンフー映画ブームを巻き起こしたブルース・リー。

「かわいい女」に中国人殺し屋ウィンスローウォン役で出ています。

マーロウに事件から手を引かせるために買収を試みますが、それを断られるやいなやチョップで書棚を真っ二つに叩きわり、飛び蹴りで天井の証照明を粉砕して大暴れ。

マーロウ探偵事務所をめちゃめちゃに破壊しました。

二人目はシュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガーで、「ロンググッドバイ」にギャングの手下の一人として出ています。

マーロウがギャングのボスを訪れると、なぜかボスが手下全員に「ズボンを脱げ!」と命令して、皆パンツ一丁になるというシュールなシーンに登場します。

ちなみにこの映画「ロンググッドバイ」はこの後紹介するドラマ「探偵物語」に多大な影響を与えた作品です。

ブルース・リーとアーノルド・シュワルツェネッガーという世界的俳優二人が、下積み時代にフィリップ・マーロウ探偵映画に出ているという事実にただただ感激します。

工藤俊作

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テレビドラマ「探偵物語(79年~80年)」で松田優作さんが演じた「工藤俊作」も有名です。

探偵物語はハードアクションの少ないコミカルでシリアスな探偵ドラマでした。

主人公の工藤俊作はアメリカ帰りの元サンフランシスコ刑事という私立探偵で、東京で「工藤探偵事務所」を開いています。

愛車はイタリアのスクーター「ベスパ」で、ファッションは基本黒スーツに赤や緑の派手なカラーシャツ、ソフト帽とサングラスというスタイル。

毎回殺人事件に巻き込まれてはその事件を解決していきます。

慢性的に金欠で隣に住む女性二人に借金返済の催促をされてごまかしたり、銀行から残高不足で光熱費の引き落としができないと催促電話を受けたりします。

刑事をからかう探偵

犯人に間違えられ、工藤探偵を目の敵にしている服部刑事・松本刑事に誤認逮捕されることもしばしばで、特に松本刑事には嫌われています。

いつもこの二人にいじめられていますが基本、工藤探偵の方が一枚も二枚も上手で二人をバカにしてからかいます。

松本刑事「しかしあれだな、私立探偵なんてのはゴキブリと一緒だな、汚い商売だよ」

工藤探偵「おたくたち(刑事)も似たようなもんじゃないですか」

松本刑事「どこが似てんだよ、俺たちはな法と正義の下に働いてんだよ、人の弱みにつけ込んで食ってる薄汚い私立探偵とはわけがちがうんだよ、文句あんのか?」

工藤探偵「ハイ、ハイ」

と言った具合に相手にせず余裕で受け流します。

シュールな笑い

探偵物語はシュールな笑いも満載で、たとえば工藤探偵の子分二代目イレズミ者との会話がウケます。

イレズミ者といっても本物の刺青ではなく、刺青模様の長袖Tシャツ?を着ているだけなのに、

二代目イレズミ者「工藤先生、この刺青見てやっておくんなせぇ」

工藤探偵「よう我慢したな、エライ、エライ」

という言う具合です。

『探偵物語』とフィリップ・マーロウ

「タフに生きろ!見せかけのやさしさはもういらない!」というドラマのキャッチコピーはあきらかにフィリップ・マーロウの名台詞へのオマージュであり、「探偵物語」は前出の映画「ロンググッドバイ」の影響を受けています。

記憶が定かではありませんが、たとえば劇中「フィリップ・マーロウ探偵事務所」はビルの最上階にあり、隣に若い女性のダンサー?二人が住んでいたと思います。

「探偵物語」の「工藤探偵事務所」もレンガ建てのビル最上階にあり、隣にモデルの卵ナンシーと女優の卵かほりが住んでいました。

また第6話「失踪者の影」では、なぜか「押しっこ(たがいに手の平で押し合ってバランス崩した方が負けのゲーム)」を、整理屋グループボスが手下に強要するシーンがあるのですが、これも前述したシュワルツェネッガーら手下にズボンを脱いでパンツ一丁になるよう命じるボスを彷彿させます。

ただ「ロンググッドバイ」のフィリップ・マーロウのファッションは工藤探偵ほど派手ではなく、黒スーツに白ワイシャツといういで立ちです。

それもそのはず工藤探偵の黒スーツに派手なワイシャツとネクタイというファッションは「ルパン三世」の影響だからです。

ちなみに「探偵物語」の前年に公開された、松田優作さん主演映画遊戯シリーズ第二弾「殺人遊戯(78年)」の主人公「鳴海昌平」の髪型とファッションが、「ロンググッドバイ」のフィリップ・マーロウにそっくりです。

この遊戯シリーズの主人公は探偵ではなく「殺し屋」ですが、ハードボイルドという点においてフィリップ・マーロウの影響を受けていると言えるでしょう。

探偵物語は要所要所にハードボイルドなシーンもありますが、基本的にコミカルなソフトアクションドラマでした。

しかし最終回は一転、仲間を殺された私立探偵工藤俊作の復讐劇という完全にハードボイルドな形で幕を閉じました。

そして最終回冒頭に工藤探偵が着ていたのは赤や緑のカラーシャツではなく黒シャツに黒ネクタイでした。

濱マイク

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平成に登場したの名探偵と言えば「濱マイク」ではないでしょうか?

ご存知、永瀬正敏さん主演映画「私立探偵濱マイクシリーズ(94~96年)」の主人公です。

マイクは元不良で元陸上自衛隊員という私立探偵。

幼い時に親に捨てられ妹と孤児院で育ちます。

成長してからはケンカに明け暮れのちに自衛隊に入隊するも除隊、宍戸錠さん演じる宍戸錠(役名同じ)が経営する「エース探偵事務所」で修行して独立しました。

ちなみに濱マイクの名前の由来は「マイクハマー」。

マイクハマーはアメリカのハードボイルド探偵小説作家ミッキー・スピレインの作品に登場する私立探偵で、ニューヨークに探偵事務所を構えていました。

映画館にある探偵事務所

「濱マイク探偵事務所」は実在した映画館横浜日劇の2階の映写室横という変わった場所にあります。

それはこの映画館の社長が幼いマイクと妹を孤児院から引き取ってくれた養父だからです。

ちなみにこの役は本物の横浜日劇社長が本人役で出ています。

映画館の中に事務所があるので、探偵の相談者は映画を観なくても入場料を払わないといけません。

それが原因で相談者と受付のもぎりのおばさんが言い合いになることもしばしばです。

ただしシリーズ第三弾「罠TRAP」の冒頭で濱マイク探偵事務所を訪れた、顔に大きな火傷?のあとのある仮面をつけた謎の男は、もぎりのおばさんが居眠りしていたので素通りしていました。

こだわりの私立探偵像

濱マイクの愛車はナッシュ・メトロポリタン。

派手なファッションが好みで浮世絵柄のジャケットや皮コートをおしゃれに着こなし、サングラスを愛用します。

いつも金欠状態で借金取りに追われたり、暇があれば麻雀、競輪に出かけるという人物です。

銭湯が好きで早い時間帯の客がいないときに入浴し、湯船のふちに銭湯定番の牛乳やコーヒー牛乳、フルーツ牛乳をならべて飲んでいます。

このこだわりを持つ探偵像が「探偵物語」をヒントにしていることは間違いないと思います。

映画「濱マイクシリーズ」の6年後に制作されたテレビドラマ「私立探偵濱マイク(02年)」はさらにこだわりやおしゃれ度合が増します。

またこのドラマ版「濱マイク」には松田優作さんの奥さんである松田美由紀さんが喫茶店の経営者役でレギュラー出演しています。

 

以上、世界と日本の映画・ドラマ・小説に登場する名探偵のうち6名をピックアップして解説してみました。

フィクション名探偵とリアル探偵のちがいとは?

次は創作の探偵と現実の探偵のちがいについて述べてみます。

探偵の服装

ドラマや映画に登場する探偵の中には、工藤俊作や濱マイクのように服や持ち物にこだわりを持つ派手なキャラクターがいます。

しかし本物の探偵があのような派手な格好をすれば非常に目立ち、調査に支障が出るおそれがあります。

プライベートならいざ知らず調査中に派手な服装をすることはありません。

探偵は対象者のみならず、周りの住民などから「怪しい人物」だと通報されないためあくまで目立つことなくそのロケーションに溶け込みます。

そのため現実の探偵は浮気調査や素行調査の現場では地味で目立たない服装をして、何パターンか印象が変わる着替えを持って尾行・張込みをします。

変装も服だけでなく、帽子、メガネやサングラス、マスク、女性探偵は髪を結わくゴムやシュシュなど小物を多く活用しますが、印象に残りにくい物を使います。

名探偵は貧乏?

日本の探偵ドラマや小説に出てくる探偵はお金には縁のない人が多く、探偵事務所も小規模で自宅兼事務所が多いです。

例えば、金田一耕助は復員して、京橋裏の焼け跡に残った「三角ビル」という三角形の怪しげなビルの最上階に、探偵事務所兼住居を構えていたり、割烹旅館「松月(しょうげつ)」の、四畳半の離れに居候して、ここを事務所兼自宅としていたりと、貧相な事務所と暮らしぶりが見え隠れします。

探偵物語の工藤俊作や、濱マイクの金欠ぶりもすでに説明たとおりです。

それは探偵が偶然事件に巻き込まれたり、人情からお金にならない事件にのめり込むパターンが多いからです。

その方がエンターテイメントとして面白くなるからです。

しかし現実に殺人事件に巻き込まれた探偵が、推理して犯人を突き止めるこということはありません。

また探偵事務所を経営すれば経費が掛かり、売り上げをあげる必要があるので「人情だけ」で報酬を受けずに調査することも基本的にありません。

もっとも探偵業界では高額の調査料をもらっておきながら、ろくに調査をしない「悪徳探偵事務所」の方が多いので依頼する場合は注意が必要です。

探偵とアクション

前述した名探偵6人のうち金田一耕助を除いて全員腕っぷしの強い探偵です。

明智小五郎は柔道三段、シャーロック・ホームズも格闘技の達人、フィリップ・マーロウは元刑事で拳銃を使うことがあります。

工藤俊作も元刑事で射撃・空手の有段者、濱マイクは元不良で陸上自衛隊員でケンカが強い設定でした。

そして作品中に格闘シーンなり追跡シーンなりのアクションシーンが出てきます。

探偵とアクションといえば、土曜9時TBSの人気アクションドラマ「キーハンター(68~73年)」と「G’メン75(75~82年)」の間に制作された、小川真由美さん主演の「アイフル大作戦(73~74年)と丹波哲郎さん主演の「バーディ大作戦(74~75年)」を思い出します。

どちらも探偵が活躍するアクションドラマですが、中でも「バーディ大作戦」の後半からメンバーに加わった探偵「ドラゴン」役、倉田保昭さんの空手アクションは物凄い人気でした。

本物の武道家で香港でカンフースターとして活躍し、生前のブルース・リーとも親交のあった倉田保昭さんの本格的空手アクションは、ほかの俳優にはマネできないハイレベルなものでした。

この「ドラゴン探偵」倉田さんは「バーディ大作戦」のあと「G’メン75」に草野刑事約で出演し、伝説の「香港カラテシリーズ」など迫力あるアクションで視聴者を魅了しました。

このように映画やドラマ、小説の探偵にはよく犯人と戦うシーンが出てきますが、現実の探偵はどうでしょう?

まず、探偵の仕事は犯人探しではなく浮気調査や人探しがメインなので、それらの業務で犯罪者と戦う場面がありません。

尾行や張込みに対象者や第三者に気付かれればトラブルになりかねませんが、気づかれるようでは探偵は務まりません。

ストーカー対策など犯罪行為の証拠を撮る依頼も受けますが、その場合も危険を回避する方策を取るので戦いに発展したことはありません。

KEN探偵事務所ではボディーガード業務は別として、探偵業務の方で「戦う」という意味合いでの危険に遭遇したことはありません。

まとめ

このようにドラマや映画の「探偵」は推理力を駆使して殺人事件を調べたり、派手なアクションで戦ったりと魅力的でかっこいいキャラクターばかりです。

しかし現実の探偵の業務は「浮気調査、不倫調査」、「人事・雇用調査」、「人探し」、「ストーカー対策調査」、「盗聴発見調査」など、決して目立つことなく地味に業務を遂行することがほとんどです。

ドラマや映画の影響で「探偵」に憧れて「雇ってほしい」という問い合わせもありますが、まず、探偵は非常に地味で忍耐力が必要な仕事ということを理解してもらうようにしています。

KEN探偵事務所では無料相談(年中無休)を受け付けています。

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